広島で粉瘤・脂肪腫の日帰り手術なら

顔の粉瘤を治すには?手術の選び方と傷あとの経過・費用を医師が解説

粉瘤(アテローム) 山根 亜衣 山根 亜衣
顔の粉瘤を治すには?手術の選び方と傷あとの経過・費用

頬やあご、おでこに、いつの間にかできていたコリッとしたしこり。粉瘤(アテローム)は顔にもよくできます。人目につく場所だけに、治療では傷あとへの配慮が大きなテーマになります。

どのくらい多いのか、ニキビとどう見分けるのか、どんな手術でどのくらいの傷になるのか、そして費用はいくらかかるのか。外来でよく聞かれる順にまとめました。

この記事で分かること

  • 顔に粉瘤ができやすいのか
  • ニキビや、ほかのできものとの見分け方
  • くりぬき法と切開法の違いと、当院での選び方
  • 顔の粉瘤の手術費用の目安
  • 手術のあとの傷あとの経過
執筆者
山根 亜衣

日本麻酔科学会 麻酔科専門医

山根 亜衣

粉瘤ひふのできもの
広島形成外科しずくクリニック 統括医

広島大学附属高等学校を経て熊本大学医学部を卒業後、呉共済病院で初期研修を修了。広島市立広島市民病院麻酔科で周術期管理・鎮痛に携わる。安心して受けられる日帰り手術体制を目指し、2026年に当院を開院。

顔は粉瘤ができやすい場所

部位別では顔がいちばん多いという報告も

毛穴のある場所なら、粉瘤はどこにでもできます。その中でも顔は、できやすい部位のひとつです。

国内のある病院が、約21年間に摘出した表皮嚢腫391例をまとめた報告があります。最も多かったのは顔面の91例(23.3%)で、次いで頸部(19.4%)、背部(17.4%)でした(山口ほか, 2007)。この3部位だけで、全体の約6割。

粉瘤ができた部位

皮膚科の教科書でも、粉瘤(類表皮嚢腫)は頭頸部や体幹の上部に好発し、多くは毛の生えている場所に生じるとされています(あたらしい皮膚科学 第3版)。できやすい場所の全体像は、粉瘤の見た目と、できやすい部位にまとめています。

この391例は性別と年代でも集計されていて、男性が女性のおよそ2倍。年代では50代がいちばん多い結果でした。

参考:山口敏之ほか「粉瘤症例の検討」日本臨床外科学会雑誌 68(3):547〜551, 2007(J-STAGE)

参考:清水宏『あたらしい皮膚科学 第3版』中山書店, 2018, p.417(類表皮嚢腫)

顔の粉瘤の見分け方

ニキビや、ほかのできものとの違い

見た目は、皮膚が丸くドーム状に盛り上がったしこりです。大きさは直径1〜2cmほどのことが多く、中央に黒い点のような開口部が見えることもあります(あたらしい皮膚科学 第3版)。触ると弾力のある硬さです。

ニキビと迷う方は少なくありません。いちばんの違いは、皮膚の下に袋があるかどうか。ニキビには袋がないので数日で治っていくことが多いのに対し、粉瘤は袋が残っているため、中身を押し出しても同じ場所がまた膨らんできます。

比較項目粉瘤ニキビ石灰化上皮腫
触った感じ弾力のある硬さ浅いところの腫れ石のように硬く、皮膚にくっついている
中央の黒い点見えることがあるないことが多い─
経過自然には消えない数日で治ることが多い─
多い年代50代が最多(1施設の報告)─小児・若年者

表の右端の石灰化上皮腫は、頭や顔、首まわり(頭頸部)にもみられる良性のできものです。石のように硬く、皮膚にくっついているのが特徴です。小児の頭頸部の石灰化上皮腫では、手術前の診断が当たっていた割合が43%だった、という報告もあります(形成外科診療ガイドライン1 2021年版 CQ8)。見た目だけで区別するのは、簡単ではありません。

超音波検査は、石灰化上皮腫と粉瘤を見分ける補助として役に立つとされています(形成外科診療ガイドライン1 2021年版 CQ1)。最終的な確認は、取り出した組織を調べる病理検査で。

脂肪腫なども含めた見分け方は、粉瘤とニキビ・脂肪腫の見分け方で比べています。

山根 亜衣(やまね あい)

統括医のワンポイント

外来では「ニキビだと思って様子を見ていた」という方が少なくありません。同じ場所が何度も腫れる、中央に黒い点がある、といったときは粉瘤のことがあります。気になるしこりがあれば、一度診せていただければと思います。

顔の粉瘤と傷あと

小さいうちのほうが、傷も小さく済みやすい

顔の粉瘤で、まず気になるのは傷あとではないでしょうか。手術で袋を取り出す以上、皮膚には傷ができます。その長さは、粉瘤の大きさや炎症の有無、選ぶ方法によって変わります。

小さいうちに取るほうが、手術は簡単。費用も抑えられる傾向があります。反対に、炎症を起こして赤く腫れると、いったん炎症を鎮めてから手術をすることがあり、治療全体が長引きやすくなります。

気になって、つい触ってしまう。顔のしこりではよくあることです。

それでも、自分で押し出すのはやめてください。中身を出しても袋は残りますし、細菌が入って炎症を起こしたり、あとが残りやすくなったりします。

顔の粉瘤の手術

くりぬき法と切開法、方法は診察で医師が判断

根本的な治療は、袋を残さずに取り除くことです。粉瘤の手術には、小さな穴をあけて袋を取り出す「くりぬき法」と、皮膚を切開して袋ごと摘出する「切開法」があります。

方法どんな方法か向いているケース
くりぬき法小さな円形の器具(パンチ)で数ミリの穴をあけ、そこから袋を取り出す小さめの粉瘤の一部(適しているかどうかは診察で判断)
切開法しこりに沿って皮膚を紡錘形に切り、袋を確実に取り出す大きい粉瘤、袋が周りとくっついている場合

当院では、切開法で行うことが多い

当院では、袋を確実に取り切り、再発しにくくするため、切開法で行うことが多いです。

くりぬき法が適しているかどうかは、粉瘤の大きさ・部位・炎症の有無などを診察したうえで、医師が判断します。小さめの粉瘤で適応となる場合もありますが、診察の結果、切開法をご提案することもあります。

ご希望がある場合は、診察の際にお伝えください。

診察した日の手術(即日手術)

くりぬき法も切開法も、局所麻酔で行う日帰りの手術です。当院では、診察したその日のうちに手術まで行う「即日手術」に対応しています。

大きさや部位、患部の状態、その日の混雑状況、ご希望しだいで、手術を別の日にご案内する場合もあります。

山根 亜衣(やまね あい)

統括医のワンポイント

外来では「顔なので、できるだけ小さい傷で」というご希望をよく伺います。傷の大きさは、粉瘤の大きさや場所、炎症の有無で変わります。ご希望も含めて、診察のときに一緒に方法を決めていければと思います。

参考:日本形成外科学会・日本創傷外科学会・日本頭蓋顎顔面外科学会 編『形成外科診療ガイドライン1 2021年版』CQ1(p.6)・CQ8(p.13)

参考:粉瘤(アテローム・表皮嚢腫)(日本形成外科学会)

顔の粉瘤の手術費用

顔は「露出部」の料金です

粉瘤の手術は保険診療です。料金は、できた場所と大きさで決まり、顔は半袖・半ズボンで隠れない「露出部」にあたります。

大きさ手術代の目安(3割負担)
直径2cm未満4,980円
直径2cm〜4cm未満11,010円
直径4cm以上15,030円

表の金額は手術代です。このほかに、初診料・再診料、術前検査料、術後の病理検査料がかかります。場合によっては、自費のテープ代もかかります。金額がはっきりするのは、診察で大きさや状態を確かめてから。非露出部を含む料金の全体は、粉瘤の日帰り手術の費用の目安で確かめられます。

手術のあとの傷あとの経過

落ち着くまでには時間がかかる

傷あとは、手術の直後がいちばんきれい、というわけではありません。

01

手術の当日

そのまま歩いて帰宅できます。多くの場合、当日からシャワーも使えます。

02

7〜10日後

抜糸の時期です。基本は7〜10日ですが、部位や状態によって変わることがあります。取り出した組織は、原則として病理検査に回します。

03

1年以内

通常の傷あとは、一度盛り上がりかけたあと、1年以内に平らで落ち着いた状態になっていきます(形成外科診療ガイドライン3 2021年版 CQ11)。

3つ目は、形成外科診療ガイドラインが説明している通常の経過です。すぐに落ち着かないのは、珍しいことではありません。

注意したいのは、赤い盛り上がり。

傷が赤く盛り上がる肥厚性瘢痕は、傷がふさがってから数週間ほどで目立ってくることがあります(同 CQ11)。早めに対処したほうが治療の結果がよいとされているので、赤みや盛り上がりが気になってきたら相談してください。

手術のあとに傷をテープで固定すると、傷あとの幅が広がるのを防ぐ効果があることが、ランダム化比較試験で確かめられています(同 CQ33・推奨の強さ1A)。当日の流れや術後の過ごし方の全体は、粉瘤の手術当日の流れと術後のケアにまとめています。術後の細かな注意点は、手術の前後にお伝えするとおりです。

山根 亜衣(やまね あい)

統括医のワンポイント

手術のあと、赤みがなかなか引かないと心配される方がいらっしゃいます。傷あとは時間をかけて落ち着いていくものですが、気になる変化があれば、次の受診日を待たずにご連絡いただければと思います。

傷あとの残り方は人によって違い、部位や体質でも経過が変わります。当院では、日本形成外科学会の形成外科専門医が、できるだけ目立ちにくくなるよう縫合しています。

参考:日本形成外科学会・日本創傷外科学会・日本頭蓋顎顔面外科学会 編『形成外科診療ガイドライン3 2021年版』CQ11(p.149〜150)・CQ33(p.174)

受診するなら何科?

傷あとへの配慮を優先するなら形成外科も

粉瘤を診てもらえるのは、形成外科と皮膚科。顔の傷あとをできるだけ目立たせたくないなら、形成外科という選択肢があります。

当院はJR広島駅南口から徒歩5分。水曜をのぞき、土日も10時から19時まで診療しています(最終受付18時30分)。お電話がしにくいときは、LINEからもご相談いただけます。

顔の粉瘤で
お悩みの方は
当院にご相談ください

当院は、粉瘤・脂肪腫など皮膚のできものの日帰り手術に対応する形成外科クリニックです。保険診療で、土日も診療しています。「これは粉瘤かな」という段階でのご相談も受けつけています。

ご予約

082-263-0606

電話受付時間 平日・土日祝 7:00-21:00

診療時間:10:00〜19:00(最終受付 18:30)
休診:水曜

よくある質問

顔の粉瘤は自然に治りますか?

自然に消えることはありません。皮膚の下の袋が残り続けるためです。中身を押し出しても、袋があれば同じ場所がまた膨らんできます。

顔の粉瘤の手術で、傷あとは残りますか?

袋を取り出すため、傷はできます。当院では形成外科専門医ができるだけ目立ちにくくなるよう縫合していますが、傷あとの残り方には個人差があります。通常の傷あとは、1年以内に平らで落ち着いた状態になっていく経過をたどるとされています。

顔の粉瘤の手術費用はどのくらいですか?

顔は露出部の料金になり、手術代の目安(3割負担)は直径2cm未満で4,980円、2cm〜4cm未満で11,010円、4cm以上で15,030円です。このほかに、初診料・再診料、術前検査料、術後の病理検査料がかかります。場合によっては、自費のテープ代もかかります。

小さいうちに取ったほうがいいですか?

小さいうちのほうが、手術は簡単で費用も抑えられる傾向があります。手術の方法は、大きさ・部位・炎症の有無などを診察したうえで、医師が判断します。

手術の日は、そのまま帰れますか?

局所麻酔で行う日帰りの手術なので、その日のうちに歩いて帰宅できます。